食品ロス

こんにちは、
エシカルコンシェルジュの稲垣可夜子です。
エシカルやSDGsについてのコラムをお届けしています。




今月はSDGsと食品ロスがテーマです。


1.10月は『食品ロス月間』

実は10月は食品ロス月間として農林水産省が環境省と連携して、
食品ロスの削減に向けて様々な取り組みを行っています。


10月が食品ロス月間なのは10月30日が食品ロス削減デーだからです。
なぜこの日が食品ロス削減デーになったのかというと、
宴会の食べ残しをなくすために、
宴会の最初の30分間と最後の10分間は席について食べ尽くそうという
3010(さんまるいちまる)運動」から「3010」を逆にして10月30日が制定されました!


実は食品ロス削減運動には「ろすのん」という可愛いロゴマークのキャラクターもあり、
農林水産省のHPでは、ろすのんが食品ロスについて詳しく教えてくれるページもあります。
【農林水産省HP】https://www.maff.go.jp/index.html

さて、冒頭から私は『フードロス』ではなく、『食品ロス』という言葉を使っていますが、
実はこの二つ、同じ意味のようで細かくいうと実は違いがあります。


2.フードロス?食品ロス?

一般的に食品ロスのことを指してフードロスと呼ぶことも多いのですが、
実は食品ロスを管轄する省庁(農林水産省や環境省、消費者庁、内閣府、経済産業省、文部科学省)は、
すべて「フードロス」ではなく「食品ロス」という用語を使っています。


法律名も「フードロス」ではなく、
「食品ロス削減推進法」と「食品ロス」を使っています。



日本では
「まだ食べることができるのに、何らかの理由で廃棄される食品」のことを
食品ロスとよんでいます。



SDGsと国連食糧農業機関(FAO)の定義から見るとこの日本の食品ロスの内容は、
実は二つにわけられます。



それが「フードロス」と「フードウェイスト」です。


フードロス」は
生産・貯蔵・加工・食品製造・流通の過程で発生する食品の廃棄

フードウェイスト」は
小売、外食、家庭から発生する食品の廃棄=食品廃棄物をそれぞれ指していて、
そのすべてをひっくるめて日本では「食品ロス」とよんでいます。



SDGsではゴール12に、フードロスについての記載がありますが、
世界のフードロスとフードウェイストを明確に分けていて、
ロス=損失」と「ウェイスト=廃棄」のふたつは
それぞれ別々の指標で測定されるべきであるとしています。



ここでわかってくるのが、
私たちが直接、問題解決のアクションを起こせるのは、
サプライチェーンの前半であるフードロス、
つまり私たちの手元に届く前段階ではなく
サプライチェーンの後半、
フードウェイスト(食品廃棄物)をいかに減らすかというところだということです。


3.SDGsと食品ロス

R-doorでもすでに取り組んでいる食品ロス削減対策。


日本で食品ロスが注目されるきっかけのひとつになったのは恵方巻です。

2019年。
関西大学の教授の発表によると、
節分後に試算した捨てられた恵方巻の金額は10億円を超えていました。



こうした季節商品、お節、バレンタインデーのチョコレートやお菓子、
クリスマスケーキなどは多くの食品ロスを生み出していて、
農林水産省からも需要に見合った販売をするよう要請もだされています。



日本では毎年、2759万トンの食品廃棄物が出されています。



そのうちまだ食べられるのに捨てられている食品は643万トン。
日本人1人当たり、年間約51㎏、1日にすると約140g。
およそお茶碗一杯分のごはんを毎日捨てています。
(参考:総務省人口推計(平成28年度)・平成28年度食料需給表)



一方で世界では、5秒に1人の子どもが飢えに関連する病気で命を落とし、
飢えと貧困によって、世界では毎日2万5000人の人々がなくなっています。
(※NPO法人国連WFP協会HP 「数字が語る世界の飢餓」より)



食べられずに命を落としていく国があるのに、
作りすぎて食べずに捨てている国がある。



この矛盾を、どうしたら解消できるのでしょうか・・・。
食品ロスの問題解決はSDGs17の中でも複数のゴール達成につながります。



私が考える食品ロス解決と結びつくSDGsのゴールは以下です。

まず、
ゴール12 つくる責任つかう責任


そして、
ゴール2 飢餓をゼロに



前述したように
日本の年間646万トンもの食品廃棄物量は
国連世界食糧計画(WFP)が世界中にしている年間食品援助量の
2倍の量になると言われています。



日本で廃棄されている食料が全て廃棄せずに援助・寄付に回すことができれば、
WFPの食品援助量を3倍にすることができます。



また
ゴール13 気候変動に具体的な対策を

 のゴール達成にもつながります。



食品ロスは、まだ食べれるものがゴミになっていることになります。
ゴミを処分するためにはCO2が生成され、温暖化につながります。
めぐりめぐって環境問題にもなっているんです。
食品ロスを出さないことがゴミを減らすことにつながり、
温暖化を食い止める一手となります。


このほかにもありそうですね。
是非各ゴールの内容をみて自分なりの答えを考えてみてください!


4.私たちができること

食品ロスに対して私たちができることといえば?



まずあがってくるは、食べ残しをしない。
ですよね。


でもその前にそもそも必要以上に買わない
というアクションのほうが重要だと思うのです。



食材を買いすぎない。
買ったものは使い切る。
そして捨てずに食べきる。

この順番です。
また、賞味期限と消費期限を正しく知ることも食品ロス解決の行動の一つ。



賞味期限消費期限と間違えてまだ食べられる食品が
捨てられてしまうことも多いといいます。



賞味期限・・・劣化の遅い食品に使われています。
美味しく食べることができる期限のこと。


消費期限・・・劣化の早い食品に使われています。
この日付以降は食べない方がいい期限のこと。


この二つの食品の期限を理解して食品を大切にしたいですよね。



5.もっと知る!食品ロス!

食品ロスについてもっと知りたい。
自分ができることを増やしたい。
そんな方に是非見ていただきたい映画があります。



それが『0円キッチン』。
そしてその続編の『もったいないキッチン』です。
こちらの映画は、文部科学省選定作品(学校教育教材・社会教育教材)にもなっていて
公開された時には大変話題になりました。
(画像は公式サイトよりお借りしました。)

0円キッチン
もったいないキッチン





捨てられてしまう食材たちを救う、
食材救出人が創り出す美味しそうなお料理も注目です。



R-doorオンラインサロンでは、
コラムニストやメンバーの皆さんとの
交流が出来ます。




■プロフィール■
稲垣 可夜子
エシカルコンシェルジュ。
千葉県出身。SDGs未来都市川崎市在住。
エシカル美容サロン Ethical Beauty Room オーナーセラピスト
R-door SDGsプロジェクトリーダー。

幼少期の体験、学生時代の中国留学、美容部員時代の経験、
自身や家族のアレルギー疾患や闘病などを通して人と社会と地球環境の健康はイコールであると気づく。
「何かの犠牲の上に自分の幸福を築かない」ためにSDGs、エシカルを学ぶ。
SDGsやエシカルに関する講師を務める。

全国の個人サロンオーナーを対象としたエシカル教育とエシカルロン作りのサポートを行う
オンラインサロン・エシカルサロンチャレンジ(ESC)を運営。
ESC認定サロンを全国に増やし、エシカルサロンがあたりまえの社会づくりを目指す。

■これまでのコラム一覧https://rdoor-official.com/category/column/inagakikayoko/

■サロンHP
https://www.ethical-beauty-room.com/home