7月「乞巧奠」(きこうでん)織姫と彦星の七夕伝説
こんにちは。
「お抹茶コミュニケーションSUI」冨田尚子です。
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7月7日は五節句の七夕
本日まずは、七夕の歳時記をお届けいたします。
幼いころ七夕が近づくと願い事ができることに
胸を高鳴らせて短冊から好きな色を選び願いを綴りました。
字が曲がらないようにそして願いが届くように
笹に固く結んだものです。
ある年に先生からこんなことを教えていただきました。
「あなたが叶えたい願いではなくて、
上達したいことを書いてみなさい」と。
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もともとははた織りや裁縫が上達するように、
技能の上達をお祈りをする行事であることを教えていただき
少しがっかりしたこともよき思い出です!笑
いにしえの女性にとって機織や裁縫は
女性の教養でありたしなみであったそうです。
京都では今年も7月7日に貴船神社にて水まつりと七夕神事が行われます。
※本年の一般参列は中止
願い事を短冊に書きその短冊を付けた笹を川に流すのは
水辺の祓いの名残だそうです。
6月30日大祓の茅の輪くぐりも、
本来は来訪する水神様をお迎えするための準備の儀式ともいわれています。
織姫と彦星の七夕伝説は「乞巧奠」として中国から伝わりました。
働き者だった織姫と彦星は結婚してからというもの、
機織りも牛使いの仕事も怠けるようになりました。
それを見かねた天帝は、
罰として天の川を隔てて二人を離れ離れにしてしまいます。
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しかし、深く嘆き悲しむ二人を不憫に思って
七夕の夜だけ二人の再会を許すことにした、という伝説です。
この再会の日を祝う中国の行事と、
はた織りの原型である「棚機(たなばた)」と呼ばれる
日本古来の行事とが融合していったそうです。
乞巧奠は、裁縫、詩歌、音楽、書道などの技能の上達を願うもの。
そしてその願い事を書いて笹の葉に結びますが、
かつては短冊でなく、「梶の葉」に願い事を書いていたそうです。
儀式のなかで、サトイモの葉にたまった夜露を
天の神から受けた水だと考えました。
その夜露で墨を溶き、梶の葉に和歌を書いて願い事をしたそうです。
梶の葉には、細かい毛がたくさんあるので、筆で書きやすいのです。
昨年本セミナーでも受講生さまに筆をとっていただき
梶の葉にそれぞれが想い描く技能上達の願いを書いていただきました♡
『万葉集』の歌に梶の葉は
「天の川へ渡る船のかじ、となって願いが叶えられる」
というものがあります。
平安貴族たちは、
梶の葉に願いごとをしたため川に流していたのだそうです。
梶(かじ)と舵(かじ)掛詞(かけことば)の雅な世界♡
和歌の名家として知られる京都 冷泉家では、
いまも旧暦の七夕に古式ゆかしい「乞巧奠」の儀式を行なっています。
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琴や琵琶五色の布と五色糸を通した7本の金銀の針秋の七草や
果物などを祭壇にしつらえ針仕事の上達を祈ります。
そして蹴鞠が披露されて天の川に見立てた白い布を挟んで
男女が向かい合い、和歌を送り合うのだそうです。
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こうして歴史を重ねてゆく伝統が、
いまも継承されていくことの重さと豊かさ。
時代と調和しながらもひとりひとりが文化を繋いでいくことは
使命のような気もしています。
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京都 亀末廣「乞巧奠(きこうでん)星のたむけ七種」亀末廣の7種は、
杉盆に盛られていて、
「願いの糸」「天の川」「ありの実」「瓜つふり」「鞠」「索餅」「梶の葉」
と銘がつけられています。
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季節の言葉触れて和の美に触れることは
日本人に生まれた自分を深く満たしてくれますね。
美しいモチーフや思想に改めて出会う時間の七夕は
そんな想いを味わってくださると嬉しいです♡
出典:東京 大宮八幡宮 「乞巧奠飾り」
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《プロフィール》
冨田尚子
テーブルで軽やかに豊かに愉しむ茶道
《お抹茶コミュニケーションSUI》代表
国内外のべ1300名以上の方に、テーブル茶道を指導。
日本橋三越本店にて継続講座や、イタリア大使館主催の文化イベントにも登壇。
以前は広告制作やフードコーディネーターとしても活動。
スイーツコラムでは、
美しく美味しいだけではない、
季節にあわせたスイーツの背景やエピソードをご紹介します。
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