海洋プラスチック
こんにちは。
エシカルコンシェルジュの稲垣可夜子です。
エシカルやSDGsについてのコラムをお届けしています。
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7月23日は海の日。
7月のSDGsコラムテーマは、海洋プラスチックです。
1.陸から海へ。
止まらないプラスチックごみの流出。
私たちの身の回りには本当に多くのプラスチックがあります。
モノがどのように作られているか、
何でできているかをあらためて見つめ直すとこんなにも
プラスチックに囲まれた生活をしているんだと驚きます。
プラスチックが世界で大量に使われるようになったのは、1950年頃から。
その後、生産量は増える一方。
カリフォルニア大学などの研究者によると、
1950年から2015年までに世界で製造されたプラスチックは約83億トンにものぼり、
このままの状態が続くと2050年までには300億トン以上になるだろうと
言われています。
軽くて丈夫で便利だけれど、その便利さを優先した大量生産・大量廃棄は
沢山のエネルギーを使うために温暖化の原因のひとつとなり、
そして陸上にゴミとして蓄積されていくだけでなく海へと流れ出ています。
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その数なんと、毎年800万トン。
先程から83億トン、300億トン、800万トンと大きすぎて
よくわからない数字ばかりが出てきますが
800万トンのイメージとして例をあげると
・ジャンボジェット機5万機
・スカイツリー222基
・初代ゴジラ400匹…
例をあげてもわかったようなわからないような…。
史上最大の建造物と呼ばれるギザの大ピラミッド。
その総重量がおよそ700万トンということなので、
毎年ギザの大ピラミッド以上のプラスチックごみが海に増えているんですね。
2.失われる海の命
私たちの生活や経済活動から海に流れ着いたり、
直接海や川に捨てられたりして、
最終的に海洋を漂うプラスチックごみのことを海洋プラスチックといいます。
人間が生み出した海洋プラスチックによって、
海に生きる動物たちが傷つけられているのはご存知の方も多いかもしれません。
2018年8月5日。
神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜海岸で
生後3ヶ月から6ヶ月のシロナガスクジラの赤ちゃんが死骸で打ち上げられ、
お腹の中からプラスチックが見つかりました。
プラスチックが直接の死因ではなかったものの、
まだ母乳しか飲めない赤ちゃんクジラのお腹の中から
プラスチックが見つかったことは、
海がプラスチックに汚染されている証拠のひとつとなりました。
同じ年の5月には、
タイの海岸に打ち上げられたクジラの胃の中から80枚以上、
重さ約8kgのプラスチックの袋が出てきたというニュースもありました。
胸が苦しくなるようなクジラのニュースだけれど、これはほんの一例。
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海鳥やウミガメなど多くの生き物が、
人が生み出した海洋プラスチックによって傷つき、
時に命を奪われているのです。
3.動物たちだけではない、私たち人への影響。
海洋プラスチックの中でも、
特に問題になっているのがマイクロプラスチック。
プラスチックが劣化し、
5ミリ以下の小さなプラスチックになったものをこう呼びます。
今や世界中の海にマイクロプラスチックが漂い、
人がほとんど住んでいない北極、南極でも
マイクロプラスチックが見つかるほどです。
小さな小さなプラスチックは海の魚たちが食べその体内に蓄積し、
その魚たちを私たち人間が食べ、
海に捨てられたプラスチックは私たちの体に
マイクロプラスチックとなって戻ってくる。
実はWWF(世界自然保護機関)が世界中の人々が
一週間に5gのマイクロプラスチックを食べていると報告しています。
マイクロプラスチック5gはクレジットカード一枚分。
まさか知らぬ間に毎週クレジットカードを一枚ずつ食べているなんて!
この事実を知った時の衝撃たるや。
思わずナイフとフォークを握りしめて、
お皿にのった一枚のクレジットカードをじっと見つめる私を想像しました。
マイクロプラスチック自体は微細なので、
対外へ排出されるだろうと言われています。
今のところマイクロプラスチックによる病気や命の危険性は
まだ研究段階でわかりません。
現段階でわかっているのは、
マイクロプラスチックが海水中の有害物質を吸着しやすい性質であり、
それが濃縮されていく場合には人体にも有害であろうということです。
マイクロプラスチックはほとんど回収が不可能です。
自然に還ることは決してなく、プラスチックはプラスチックのまま残ります。
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もう海には流したくないですね。
海も、人も、動物たちも、サステナブルな生き方ができる世界をつくる一歩。
どこから何から始めましょうか。
R-doorオンラインサロンでは、
コラムニストやメンバーの皆さんとの
交流が出来ます。
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■プロフィール■
稲垣 可夜子
エシカルコンシェルジュ。
千葉県出身。SDGs未来都市川崎市在住。
エシカル美容サロン Ethical Beauty Room オーナーセラピスト。
R-door SDGsプロジェクトリーダー。
これまでの経験や体験、自身と家族のアレルギー疾患や闘病などを通して
人と社会と地球環境の健康はイコールであると気づく。
「何かの犠牲の上に自分の幸福を築かない」ためにSDGs、エシカルを学ぶ。
SDGsやエシカルに関する活動や講師を務める。
全国の個人サロンオーナーを対象としたエシカル教育と
エシカルロン作りのサポートを行うオンラインサロン・エシカルサロンチャレンジ(ESC)を運営。
ESC認定サロンを全国に増やし、エシカルサロンがあたりまえの社会づくりを目指す。
■これまでのコラム一覧
https://rdoor-official.com/category/column/inagakikayoko/
■サロンHP
https://www.ethical-beauty-room.com/home