【R-doorラジオ】麻日奈芽実さん

 

今月のゲストは
MAGNIFIQUE代表
パーソナルファッションディレクター麻日奈芽実さん

 

 

現在58歳という年齢を聞いただけで誰もが驚くと共に
その日本離れしたファッションセンスでミセス世代に
多くのファンを持つ麻日奈芽実さんの
<私らしい生き方>とは。

ファッションに興味を持ったきっかけ〜人生観まで
女性の憧れである麻日奈芽実styleの作り方を
聞いてみました。

ーー長くファッション業界にいらっしゃる
イメージが強いですが芽実さんの
起業のきっかけをお聞かせください。



麻日奈:私が起業したのは48歳の時。
それも皆さんのように、
色々準備をしていた訳ではありません。
自分で落ち武者的起業と言っているんですが(笑)
私はずっと会社員をしていたんです。


そこでずっと役員の秘書をしていたんですけれども、
離婚もしていろんなことがあって仕事を続けていた
んですが、簡単に言えばリーマンショックのあおりでですね。


仕事を失うのとあと早くに母が病気で亡くなっている
んですけれども私が仕事を辞めたと同時期に
父が病気で亡くなり何もかも失っちゃった
という感じでした。

 

ーーそこからどうやって起業の世界へ
転身されたのですか

麻日奈:48歳で夫もいない、子どももいない
仕事もないみたいな感じになっていました。
本当にプチ鬱になるんじゃないかと思ったんです
けれど、その時に偶然女性コミュニティの方と
ご縁ができて、そこで色々な方から
「もとは何をされていたんですか、
それだけオシャレで」
と、言っていただいたのがきっかけです。


「そんなにオシャレだったら、自分でオシャレを
仕事にした方がいいんじゃないですか?」って
すごく色々な人に背中を押していただいて、
そこから落ち武者的起業が始まったっていう
形ですね(笑) 

 

その時ちょうど、今、理事をさせていただいている
日本パーソナルコーディネート協会井上史珠佳理事長
ともたまたま出会って、そこで仕事の在り方とか
やり方を学んで本当にゼロから立ち上たという形ですね。

 

ーー起業1年目はどんなことをされましたか


麻日奈:女性コミュニティに出会った時に
「ブログを書いたらいいんじゃない?
ネイルもお洋服も素敵だし!」と
最初は本当に日記のような顔出しもしてなくって、
ニックネームとかつけて最初はそれから始めました。

芸能人じゃあるまいし、自分のファッションを
記事にすることを恥じらっていたら友人が
「あなたのファッション素敵だから私が写真を撮る」
と言って私のファッションだけの写真を友達が
ブログにあげてくれたんですね。

そしたら、古いブログにもコメントがたくさんついて
背中を押されてそれから最初は恥ずかしながら、
本当に趣味みたいな形で、
「今日はこんな感じでお出掛けしました」とか
を少しずつ記事にアップしていきました。

それで満を持して「モニターを募集」をスタート。
数時間で満席になったんですよ。
応援してくださる方がいてくれて涙が出るほど
嬉しかったです。
その時に頂戴したお金は今でも忘れられません!

わずか数千円なのに、今までもらったお給料や
ボーナス以上に私には価値がある一歩で
今でも忘れられないです。

 

ーー最初のきっかけはブログだったんですね

麻日奈:私の場合アメブロですね。
最初のスタートがブログでそこから海外のお客様に
繋がりましたし本当に今でも驚くような出会いがありました。
こんなお仕事をさせていただく場所があるなんて
本当に感謝しています。

 

ーーSNS発信で大切にしていることなど
はありますか

麻日奈:まずは継続することだと思うんですね。
どこかで誰かが見てくれている。誰もに好かれるのは
難しいと思うけれども、その中で私はこういう
感じが好きとか。ファッションに正解不正解は
なくて相性というのかな。その中で自分が
無理せずいいと思う事、好きだと思うことを
発信し続けること。そうすればそれに共感する方、
好が同じ方が集まってくる。
起業にもやっぱり段階があるので、まず自分の
得意なことから始めてみるのが大事だと思います。

 

ーー最初に気を付けていたこととかありますか?
例えば写真だったり、文章だったり


麻日奈:最初の頃は私の場合ファッションでしたから
みなさんにわかりやすいコーディネート全体の写真
の撮り方をしたり、説明を入れたりとか。
あとは決して、コメントをもらったから自分もする
のではなくてコメントはギフトだと思っています。
24時間決まった中で、その中で1分でも何秒でも
時間を割いて何か書いてくださるんだから。


だから、誰かの投稿を見てすごく頑張っているな
と思うと自然に声をかけるようにしています。
もちろんできない時もありますけれど。
そういう形でなんか、通じ合うようなものは
大事にしています。

 


ーーまず自分がして欲しければ、自分もする。
それに対して絶対に見返りを求めないって言うことですね


麻日奈:もちろん、考えてやらなければならない
こともあるんですけれどすごく人柄が出ると
いうか、通り一変なものやコピペのようなもの
ではなくて、何かその中でハートをキャッチ
するような言葉があったり。
あぁ、こういう感受性の方なんだなとかあるから
実際にお会いする前から「この人のコメント
すごくいいな」「刺さるな」というか。

それは決して計算しているのではなくて、
それも相性とか好みだと思うんですよね。
この人の文章好きとか。

 

ーーこの人の文章が刺さるってありますよね


麻日奈:単純に私はひとりで家族もいなくて
何もかも失った後に皆さんの応援で仕事を
持てたというのがあります。
だからアメブロで出会った方々や
リアルで背中を押してくださった方々に
もう感謝しかないんですよ。
それは何があるとかではなく、何もなかったから。
だから、すごくありがたいなって。
それを言葉に表したり、SNSだけではなく
リアルで会う時にお話をしたりとかそんな中で
積み重ねていったものが大きいですね。


だからお子さんが小さくて、お母さんやっている
方だと私ほどの時間はさけれないと思うんですよ。
その分、子どもへの愛情を注いでいたりとか
ご主人へとか、またそういう違う見返りが
あると思うんですね。今回コロナになって、
私本当に一人でヒーでしたから(笑)

 


ーーそんな中生きていく上で大切にしていること
があればお聞かせください


麻日奈:たくさんありますがコロナで一番最初は
これからどうなるんだろうと落ち込みました。
なんかすごく老け込んだんですよ。
人に会わないし(笑)


それでその時に
<適度な緊張感>と<適度な高揚感>って
すごく大事だなと改めて思いました。


適度な緊張、人と会うとか仕事で何かをするとか
そういうのってすごく大事だなと思ったんです。
だから、そういうのってこれからも大事にして
ある意味アンチエイジングというか、自分の
情熱だったり。だから、家族だとついなれ合いに
なったり言い合ってしまうとか。
でも人前だと言わないとかね。
あとお洋服も私はすごく装いを大切にして
いるのですけれど、制服みたいにすると
きちっとスイッチが入った感じ。

男性もネクタイを締めると会社にいく、
家に帰って部屋着だとだらっとするような感じで
ずっとONモードでいることはキツイと思うので
そういうメリハリに装いを使ってほしいなと
思います。


だから適度な緊張感と高揚感はすごく
大事だなっていうふうに思っていますね。

 

ーー<適度な緊張感>と<適度な高揚感>
すごく素敵な言葉ですね

麻日奈 :私の父親は昭和一桁世代だったので
やっぱり日本人って真面目だし、昭和な人って
苦手なものがダメでこれがダメなんだ!これを
もっと頑張れとか苦手を越える教育というか
そういう育て方をされた方が私より上の世代は
多いと思うんですね。

でも、好きを伸ばした方が絶対にいい思います。


子育てをしていない私が言うのもちょっとなんか
申し訳ないんですけれど、子育ても絶対そう。

好きなものを伸ばしてあげてそっちの偏差値を
あげて、苦手なものがあったらそれがあるから
いっかと許せるほうが絶対にいいし、自分も楽しい。
これができない。これがダメだ。
これが苦手だからって責めることすると、
すごい辛いですよね。

いつまでやっても私はできないんだって、
責めちゃうから。だったら、これは私は全然ダメ
だけどこれは得意からって、自分の得意に目を向けて
そっちを一生懸命がんばったら
「アノ人はこれはダメだけど、これはいいよね」
っていう感じでそっちを伸ばしたらいいんじゃ
ないかなって思います。

 

ーー得意な部分を伸ばしていくと苦手な部分も
自然と底上げされていくイメージですね

麻日奈:そうなんですよ!
メイクなどでもよく言われているんですけれど
口元はあれだけど、目がぱっちりしているとか
お洋服とかもそうなんですけれどね。

私が提案するときにも、お客様は腕がこうだから
ウエストが細いから、そっちを強調してあげると
他の自分にとっていまいちなところがうまく隠せる。
いいところにフォーカスするって同じだと思うんですよね。

自分の得意なことに力をそそぐ方が
すごく効果的だと思います。
そういうことがすごく大事。

 

ーー逆に人と比べたりして「私はできないな」
と感じられた経験はありますか


麻日奈:ありますよ!いまだにありまくりです!!
でも、それを思っていても仕方ないですからね。
だから、こういうのを喜んでくれる人だったり
こういう所がいいと思ってくれる人をすごく
大切にしています。

もちろん苦手なことをチャレンジすることも
とても大切だけれどね。
何か一歩踏み出すのに苦手から入ると
一歩がなかなか踏み出せない。
やっぱり躊躇しちゃったりして「私なんて」
「私なんか主婦なんかしていないし」
って、私からすると主婦はすごいでしょって。

私なんか主婦も続きませんでしたから(笑)


「子育てしかしてない」ってみんな言うけど
私は子育てしている人って
素晴らしいって思っています。
仕事なんてやめることができるけど、
子育ては終わりがないでしょ。
投げ捨てることもできないし。


私はわがままなバブル世代に育っているので
昔からいるお友達でね、世界は自分中心で回って
いるみたいな友達がいざ子育てが始まったら。

そんな時もあるわよねって言っているのを聞くと、
すごく変わった!って。すごいなって思うの。

子育てしているだけで誇らしいこと。

そういうことだって全然無駄じゃない。経験できない
人もいるから。そういうのをしたことでわかることも
あるし。人生に無駄はないしその人の強みって
人生そのものだと思うんですよね。

誰かと比べるのではなく、少しずつ成功体験を
積み重ねていくといいじゃないかと思いますね。

 

ーー現在58歳ということはあと2年で
60代を迎えられるということですが

麻日奈:そうなの。私は再来年の1月なので
もう目の前ですよね。やっぱり体力的にも
色んなことで当然ながら衰えは感じているんですけれども。


その分、経験してきたことが力になっていたりとか
知恵になっていたりとかします。
年齢はね、誰しも平等に重ねていくものなので
それは自分の中の経験値というものが何事にも
代えがたい力になっていたりするんですよね。

若い時の肌にはなれないけれど、重ねたからこそ
見える世界があったり許せることがあったり
我慢できることがある。
こんなことは前にもあったから大丈夫だっていう
自信があったりとか。そこを見て見ると、決して
悪いものではないし誰でも平等に訪れるものだから
私だけこんな目に遭って!ではないのでね。


誰でも生きていれば60歳になるし、
70歳にもなるし(笑)
そこを自分の中で熟成してきたんだなって思える
自分であったらいいのかなって思いますね。

 

ーー60歳を迎えるにあたって、芽美さんの
夢をお聞かせください

麻日奈:こんな自分でも誰かのちょっとでも
役に立ったらいいなと思っています。
こんな60代でも頑張っているんだって、勇気をあげ
て差し上げることができたら小さいながらも
嬉しいなって思います。


あとファッションで社会貢献をしたいです。

 
そんな大きなことではなくて、残念ながら病気に
なってしまって思うようにいかなかったりする方に
ファッションの力でそれが喜びに感じるような。
そういうことをプロデュースしたり、
開発に関わっていけたらと思っています。

 

ーー開発といえば今ショップチャンネルにも
ご出演されていますよね。

麻日奈:あれも本当にたまたま発信を続けていた
ものを見つけてくださって
「素敵なので、何かを作ってみませんか」って
お声掛けいただいたんです。
メーカーの社長さんからご連絡をいただいて
スタートしました。
どこかで誰かが見ているってこういうことなんだと
思います。
今はたくさんSNSがあるのです
ごくチャンスですよね!
無料で世界中に発信ができるんだったら
やらない手はないですよ。

 

ーー幼少期はパリで暮らしていたご経験もあると
お聞きしましたがそのファッションセンスは
海外で培われたのですか


麻日奈:そうなんですよ。父の転勤で
小学校6年生の時にパリに行きました。
1970年代の初めです。
当時は60代以上の方は着物着ているおばあちゃまも
いらしたような時代なんですね。昔だからそれが
日本人の美徳、目立ってはいけないというか地味に
していることが奥ゆかしいみたいな時代。

その時にパリに行くと、60代以上のマダムが
ヒューシャーピンクを着たりとかしてもう
華やかに飾っていて。若い子はごくごく
シンプルなファッションで日本みたいに
ブランドバッグなんて誰も持っていない(笑)
危ないのですごくシンプルな
ファッションをしていたんです。

子どもながらにそういったことを
すごく覚えています。

 

ーー日本でも明るいカラーを着こなすミセスが
増えて欲しいですね

麻日奈:そういう背中を押すことをこれからも
ずっとし続けていきたいと思うので、女は50代から
って言っているんですけど60代なら女は60から!(笑)

 

ーーミセス世代が明るくパワフルでいることが
これからの日本経済を回していく気がしますね


麻日奈:できたらいいですよね。戦後は
敗戦国だった日本を女性が支えてきましたよね。
女性だけが子どもを産めるし、子孫を作って
ああいう人たちがいたから今がある。
女性の力がすごく大切だと思います。
私は家庭を持っていないですけど、お母さんの
機嫌がいいのが一番だと思うので、女性が
ご機嫌でいることが一番大切。そうすると
家族もニコニコできるし、ご近所ともいろんな
コミュニケーションが取れると思うんですよね。
男性社会のようでありながら、実は女性が
支えていると思っているので女性をこれか
らも応援していきたいです。

 

ーー芽実さんにそのリーダーになって
もらいたいです!


麻日奈:女性が綺麗にしていてニコニコしていると
男性もとても嬉しいと思うんですよ。
お子さんもそうでしょうしね。そんな人を
増やしていきたいです。
それと、適度な緊張感と高揚感を保ちながら
自分の好きなことに時間を大切にしていきたいです。
それが趣味であっても、仕事であっても。
私の友人なんかは韓流ドラマにはまってて(笑)
いいと思うんですよ、そういうのがあって。
なんかニコニコしちゃってね!今日はごはん
ちょっと美味しいの作っちゃおうかなとか!

そういう気持ちがあるだけでも、すごくいいと
思うので自分の好きを大事にしてもらったらいいと思います。

 


ーーそういう”ときめき”って
人生の中ですごく大切ですよね。

麻日奈:自分でそういうのを作ることで
自分で自分を喜ばせることが成功の秘訣にもなる。
慣れないことをやっていると辛い時期もあるけれど
我慢だけでなくてちょっと自分を喜ばせることも
大事にしたらといいと思います。
さぼるのではなく、喜ばせるということ。

 

ーー自分にご褒美をあげるのは大事

麻日奈:子育てしている人も、家事をしている人も
本当にえらいです!
がんばっているぞ、私って。
美味しいもの食べてもいいし
昼寝でも何か見たいドラマ見てもいいと思うし
音楽だって聞いてもいい。
なにか自分を喜ばせて、またそこで
エネルギーチャージしていただくと
いいかなと思います。

 

私も毎日そんな風に過ごしていけたら
幸せだなと思っているんです。
今日の私の話がほんの少しでもお役に立てば
嬉しいです。

 



40代後半で起業されたきっかけやそこから
どうやってお仕事に繋げていったのか
たくさんお話しを伺わせていただきました。

だからこそ、今日のお話はそんな私たち女性の心に
とても深く響いたのではないでしょうか。

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 オンナは50代から!!
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またまた目標にする素敵な先輩に出会えましたね。

麻日奈芽実さん、ご出演ありがとうございました。



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