年末年始の喜ばれるご挨拶の仕方
暦は「師が走る:師走」となり、日に日に寒さが増して参りましたね。
年の瀬にはお世話になった方へのお礼の気持ちを込めて、
また、
新年には新たな一年を慶び、
今後のお付き合いがますます良い方向に向かうように願って
ご挨拶をされることと思います。
ただ、このコロナ禍において、
対面ではなく、
あえてメールやお手紙、年賀状を送ることを選択される方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、
年末年始のご挨拶の方法とふさわしい表現、
NGな表現について、
お伝えしてみようと思います。
年末のご挨拶について
例えば、
お子さんの習い事の先生や、ご自身がお世話になっていらっしゃる先生宛に
手紙やメールでご挨拶をされる場合の内容について、
1.サラリと時候のご挨拶を入れる。
2.一年間のお礼の言葉
3.健康や繁栄への気遣い
4.来年に向けてのメッセージや抱負
このような流れが一般的ですよね。
ここでのポイントは、お礼の言葉の部分です。
その一年を振り返った時に強く印象に残ったエピソードや
先生への信頼の念を感じられるような内容を盛り込むときっと、
先生にも1年を振り返っていただけるよい印象を持っていただけるのではないでしょうか。
そして、
気持ちの近い先生ですと、つい、「良いお年を・・・」と
文末を濁しがちになってしまうかもしれません。
普段からメールやメッセージに慣れてしまっている私たちだからこそ、
やってしまいがちですが・・・
丁寧に品格のある文章にするならば、
「良いお年をお迎えくださいませ。」と略さずに書きたいところです。
送る時期はいつがいいでしょうか
先方が法人などであれば、
年内最終営業日よりも1週間〜3日前が良いでしょう。
個人のお相手であれば、
一般的な仕事納めの28日が今年は月曜日に当たりますので、
早まることを想定して、23日あたりに送っても良いかもしれません。
その際には、「少し早いですが、年末のご挨拶をさせていただきます。」
と付け加えることと、
メールの場合は件名に「年末のご挨拶 〇〇」と忘れずに氏名を書かれると、
多くのメールを受け取られる方には親切ですよね。
年始のご挨拶
これはメールではなくまだまだ「年賀はがき」が基本となっているようです。
そこで、意外と知らないのが、年賀状のマナー。
例えば、目上の方へのご挨拶に、
「あけましておめでとうございます。」だけでは
簡素な印象がする方も多いのではないでしょうか?
「賀正」や「迎春」、「寿」や「謹賀新年」の使い分けはいかがでしょうか?
まず、先述の通り、略語は失礼に当たります。
「賀正」や「迎春」、「寿」や「福」といった2文字以下の言葉は
目上の方に対しては失礼だとされています。
一方、「謹賀新年」や「恭賀新年」といったお祝いの言葉や
「謹んで新年のご祝辞を申し上げます。」といった表現はよりよいとされているそうです。
また、「あけましておめでとうございます。」でも失礼にはなりませんが、
「謹んで」の言葉をつけると、より丁寧な印象ですね。
そもそも年賀状は
「新年を迎えられる慶びと相手の幸せを願う思い」を伝える縁起物とされています。
素敵に印刷されたものも多いですが、
私は印刷だけされた年賀状を受け取ると、
「とりあえず、出しました。」と言われているような
少し残念な気持ちになってしまいます^^:
せっかくであれば、気の利いた一言を一文でもよいので、
手書きで添えたいですよね。
また、今ではすっかり少なくなりましたが、
宛名もできれば、毛筆で書くのが正式で、最も丁寧とされています。
今年は少し長い冬休みをとる方も多いようですので、
そんな方は気持ちを込めて宛名を毛筆に、筆を取ってみる・・のも、素敵ですね。
最後に、年末年始によく使う、間違えやすい【敬語トレーニング】を少しだけご紹介します^^
間違えやすい【敬語トレーニング】
貴女の日本語力を、答え合わせなさってみてください♪
×お召し上がりになって→○召し上がって
(召し上がる:尊敬語なので、二重敬語となってしまいます。)
×拝見させていただきました→○拝見しました
(拝見する:謙譲語なので、二重敬語となってしまいます。)
×ご苦労様です→○お疲れ様です
(目上の方から使う言葉です。
あまり女性が多用するのは上品ではないかもしれませんね。)
×お体をご自愛くださいませ→○どうぞご自愛くださいませ
(「自愛」自体に「体を大切にする」という意味が含まれます。)
年末年始に限らず、オトナの女性として、美しく正しい言葉遣いを使いたいですよね。
今年の冬は寒さが厳しくなるそうですね。
ご家族皆さまが揃って、楽しいクリスマスと幸せな年末年始になりますように、、、
どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。
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《プロフィール》
藤本 えり
フリーアナウンサーであり、傾聴コミュニケーションのインストラクター滋賀県出身。
神戸の大学に進学後、ANAの地上職として関西国際空港に勤務。
グランドスタッフ、秘書業務を経て、結婚・出産後、フリーアナウンサーの道へ。
関西では、太閤園などホテルでのディナーショーを中心に活躍。
同時にビジネスマナーや接遇の講師として専門学校や大学で接遇の講義も行う。
2012年住み慣れた芦屋・甲陽園から横浜へ転居し、活動の場を関東へと移す。
以降、官公庁や外資系企業、医療系メーカーを中心とした講演会やシンポジウムの司会に抜擢され、
新型ウィルス感染拡大までは、300名から1000名規模での表司会を経験。
現在はWEBシンポジウムの司会を中心に、年間100件余りの受注を受ける。
自身の司会案件のほか、航空業界での人脈を生かし、キャスティング業務も請け負う。
講師としては、専門学校にてマナーの検定講師のほか、傾聴コミュニケーション協会のインストラクターとして、「聴く」ことを土台としたコミュニケーションの重要性をお伝えしている。