相手の心を動かす言葉のチカラ

フリーアナウンサーの藤本 えりです。
えぇ声トークラボを主宰し、
『声・ことばと伝え方を磨いて、なりたい自分になる』というお手伝いに加えて、
マナー講師として専門学校での非常勤講師や医療施設などで接遇研修講師を務めています。






今回は、言葉のお作法とは直結しないかもしれません。
良い言葉の癖づけとして、お伝えしたいと思います。




先日、言葉の師匠とお慕いしている
元NHKエグゼクティブアナウンサーの村上信夫先生の「ことば磨き塾」に参加しました。




ペップトーク普及協会の代表理事、岩崎由純さんがゲスト。



ペップトークとは何か?
ご存知の方はいらっしゃるでしょうか?



元々アメリカで生まれたもので、
アメフトなどのプロスポーツの選手たちにコーチがほんの1分程度のスピーチをするものです。




「激励演説」と訳されたんだとか。




アメリカのコーチたちは、
試合前に「ミス」や「負ける」という言葉を絶対に口にしないそうです。







どんなに難しい局面であっても、その場に立っている状況をそのまま受け入れ、
承認し、行動に触れ激励する(または祝福する)。




たった1分のスピーチが、
勝負に向かう選手の心の炎に火をつけて、最高のパフォーマンスにつながる。




このペップトーク、
勝負に向かう選手にだけではなく、ピアノの発表会前に緊張しているお子さんや、
失敗して落ち込んでいる部下に対しても有効だそうです。




例えば、ピアノの発表会前に緊張しているお子さんへ。

「いよいよ発表会だね、緊張しているんだね。 
 こんなに何百人もの前で弾くのは初めてだもんね。 
 でも、これまで〇〇ちゃんが人一倍練習してきたこと、 
 先生はよーく知ってるよ。 

 お友達と遊びに行きたいのを我慢して、毎日毎日練習してきた。
 すごい努力だと思う。 

 だから、今日はこれまでの全ての頑張りを
 みんなに聞いてもらってこよう! 

 あなたなら大丈夫。
 さぁ、笑顔で楽しんで!いってらっしゃい!」



こんな声がけです。



「ミスをしても気にしないで。弾き続けたらいいのよ。」
なんていうアドバイスより、
100倍効果があるのではないでしょうか?






前述で出てきた「ミス」という言葉、これを口にした途端、
「ミスをしないこと」が前提であっても、
人はそちらに意識が引っ張られるんだそうです。




だから、言葉を変換するのが大切!




岩崎さんは「ポジティ語変換」と呼んでいらっしゃいましたが、
まさに、私も日々実践していることなんです。



「廊下を走るな!」   
 ↓
「廊下は静かに歩こうね」



これは有名なフレーズですから、聞いたことのある方も多いかもしれません。



「遅刻しないで」   
 ↓
「時間に余裕を持った行動をしましょう」


「あの子はすぐにキレる」   
 ↓
「キレるくらい感情に瞬発力がある」



こんな風に、捉え方も変換する。




「忘れ物をしちゃダメよ!」と言った瞬間、
「忘れ物」がインプットされますよね笑。




言葉の仕組みを考えた時、目的語が先に出てくるのが日本語。



してほしくない言葉を先に言ってしまうと、
その後に続く言葉が否定形であっても、耳からインプットされてしまうんです。




ペップトークは、流暢に話せるかどうかが大切ではなく、
いかに相手への応援の想いを伝えるか、そこに「愛」があることが大切なんだ、
と感じました。




ぜひ、愛のある言葉の変換を意識してみてくださいね!




最後に、私が意識して使っている言葉について綴らせてください^^



〜「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」を〜




何か手助けをしてもらった時、嬉しいことをしてもらった時、
ついつい言ってしまう「すみません」や「ごめんなさい」の言葉。




嬉しい気持ち以上に謙虚さが上回ってしまうと申し訳ない!
というような気持ちいなることもありますよね。 





けれど、人は謝られるよりも、感謝される方が圧倒的に嬉しい生き物です。





「ごめんなさい」のコトバを、「ありがとう」に変えてみてください。





きっと、受け取った方からも「ありがとう」が返ってきたり
あったかい気持ちに包まれたりするのではないでしょうか^^





あたたかい言葉がけに変わって心地よい空間になると、
嬉しいご縁がどんどんやってきます!
シンプルな言葉こそ、大切に選んでいきたいですよね。




R-doorオンラインサロンでは、音声でもコラムをご紹介しました!
そちらも合わせてお楽しみください♪




今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。




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〈プロフィール〉
藤本 えり
「えぇ声トークラボ」主宰の現役フリーアナウンサー
「ことば」の大切さを実感し、「話す」ことや「声を出すこと」を
少人数グループレッスンやパーソナルレッスンでサポート。
官公庁や企業を中心とした講演会や1000人規模のシンポジウム司会に抜擢され、
年間100件近くの受注を受ける。
マナー講師歴は10年、専門学校にてマナーの検定講師や非常勤講師としても活動しており、
コミュニケーションの重要性をお伝えしている。

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