海外在住の子供が日本で感じたこと
みなさん、こんにちは!
今年はヨーロッパでも日本でも本当に暑い夏でしたが、
あっという間に秋の気配ですね。
秋と言うと、日本のさつま芋や栗の味が本当に恋しく
なりますねぇ。
みなさんお元気ですか?
私は、スペインに住むようになってから初めて
(何と、16年ぶりに?!)日本に2ヶ月という長期
滞在をしてきました。
滞在の目的の一つは、子供達を日本の学校や幼稚園に
体験入学させること。
我が家の子供たちは現地の普通の学校に通っています。
一応「バイリンガル」となっていますが、
もちろん一番楽な言語はスペイン語。
日本人学校には通っていません。
週末に補習校に通うことも検討しましたが、
(夫)「週末に早起きは無理だね。」
(子供)「週末はみんなで面白いことしようよー。」
という、家族の反対にあい、あえなくボツ。
(私も、週末に一人で頑張って子供を連れて行くほど
やる気モードではなかった、というのもあり・・・
すぐに流されましたよ・笑)
ただ、私がいつも心がけているのは、
・子供たちに日本の同い年の子供と同レベルの
日本語力は期待しない
(期待するレベルを明確にする)
・ちょっとでもやる気になった時にサポートできる
体制は作っておく
・日本語は楽しいものだと感じてほしいので、
決して強制はしない
・日本語だけではなく、日本の文化もできるだけ
伝えるようにする
こういったことです。
そのせいか、子供たちは私としか日本語を使いませんが、
かなりおしゃべりです!(笑)
読み書きもそれなりにできます。
今回、日本の小学校と幼稚園を探した時には
コロナのためか、なかなか条件が整う学校が少なく
学校探しはかなり難航しました。
「一人なら受け入れられます。」
「オンラインなら大丈夫です。」
と言われたことも。
(日本に行く意味がないでしょ〜(^_^;))
しかも、学校が見つかっても、住宅地だと滞在先を
確保するのが本当に難しい!
ホテルさえ見つからない。。。
色々な場所を検討した後に決まったのが、
小さい頃に祖父母を訪ねてよく行った
静岡県の浜松市でした。
浜松は、ヤマハやカワイなどの楽器メーカー、
ヤマハ、スズキ、ホンダなどの自動車メーカー等が
ある都市なので、外国人労働者が多くて
外国人の受入体制がかなりできている都市なんです。
全国色々な所で海外在住の子供達の体験入学を
させる制度はありますが、
浜松市には「聴講制度」という制度がきちんと
できていたため、それも安心材料となりました。
さて、海外在住のお母さんたちはよーくご存知かと
思いますが、
母一人で子供3人を連れての帰国って
結構旅の準備と心の準備が必要ですよね。。。
事前の学校とのやり取りや必要なものの準備、
PCR検査や証明書の準備にギリギリまで追われ、
あっという間に出発日。
子供3人と6つのスーツケースとともに、
スペイン→ロンドン→日本と移動し、
都内のホテルに一泊した後に新幹線で浜松へ移動。
到着した次の日には学校に書類手続きで向かう
という感じだったので、最初は自分が日本に
いるという実感が湧かないほどでした。
さて、子供達ですが、
11歳の長女は他の小学校に行ったこともあったので、
ある程度学校生活について分かっていましたが、
長男と次女にとっては初めての経験。
時々不安そうになった子供たちに言ったのは、
「日本の給食ってすごーく美味しいよ❤️」
でした!
これ、本当ですよ!
スペインの子供たちが食べている給食は、
正直あんまり美味しくありません。
冷めていることもしょっ中。
それでいて、市から補助金が出たりしないので、
月額1万5000円くらいです。
(一人当たり、ですよ!)
それに比べて、日本の給食の美味しいこと❤️
食いしん坊な我が家の子供達は、
私の話す揚げパンやスパゲティナポリタン、
冷凍みかんの美味しさに目を輝かせ、
それなら学校に行こうかな、となりました(笑)
学校生活ですが、最初は緊張していた子供たちも
先生やクラスの子供たちに温かく迎えられ、
ずっと楽しく行くことができました。
長女は日本の6年生の子供たちに比べたら国語は
できません。知らないこともたくさんあります。
それでも、以前他の小学校に行った時の経験と
比べて、浜松の小学校に来て本当に良かったと
言っていました。
彼女のコメントをいくつか書きますね。
・前は体育で長縄跳びができなかったり、
前ならえを知らなかった時に、体育の先生に
「お前はそんなことも知らないのか。」と
怒られたけど、今回は「水泳が上手だね。」と
褒められて嬉しかった。
(体育の先生だけどうして言葉遣いが悪いの、と
聞かれました・笑)
・前は「日本語ができない子」だったけど、
今回は「海外にいるのに日本語ができる子」と
みんなが思ってくれた。
・読めない漢字があった時に、友達がそっと
読み方を教えてくれた。読めれば意味が理解
できるということを分かってもらえて、
本当に助かった。
・日本語を話していて疲れるということは
ないけれど、スペイン語をすごく話したい、
思いっきり自分を表現したいという気持ちに
なった。
(日本語だけで疲れないなら上等だよ、と
海外生活で苦労した母は思いました。)
次に、かなりマイペースな長男の体験談です。
・友達ができたものの、みんなの名札を見ても
漢字が読めないため、最後まで名前が
分からない友達多数。
(仲良く話しをするようになってからは
名前を聞けなくなったとか。)
・水泳の授業が大好きになったものの、先生の
話を聞き逃して水着を忘れる日数回。
(スペインでプールのある学校は珍しいです。)
・他のみんなと同じように一人で学校から家に
帰りたいと思い、道を知らないうちに実行。
(学校に迎えに行く途中の私と次女が見つけ、
私が厳しく叱りました。)
・みんなで給食のご飯を盛ったり、一緒に掃除を
するのがすごく楽しかった。
三角巾は本当に必要なのかと聞かれる。
・折り紙クラブに入り、みんなの作る折り紙の
素晴らしさにびっくり。
「日本で折り紙ができない子供っているの?」と
聞かれる。
最後に、幼稚園に行った次女の体験談です。
・お花やお野菜にみんなでお水をあげるのが好き。
幼稚園でできたミニトマトをきれいに磨いてから
食べる。
・毎日新しいお歌を歌った。
「アイスクリームの歌」がお気に入りに。
幼稚園の先生はみんなピアノが弾けてすごい。
(スペインでは、幼稚園の先生がピアノを弾く
ことはありません。)
・子供達がみんなすごく優しくてびっくりした。
先生も罰を与えていなかった。
(スペインでは、よく「罰に、次の休み時間は
教室に残ること。」と言われます。)
・正しい挨拶を幼稚園で教わって、「挨拶の日」に
たくさん先生からカードがもらえた。
色々なことがありましたが、こんな経験が
できたのも、日本の小学校や幼稚園の先生方、
家族、浜松に住む叔父や叔母のサポートが
あったからだと思います。
子供たちにとっても、最初はワクワクと不安が
半分半分だった学校生活。
この経験をすることによって、新しい世界を
発見できて良かったなと思っています。
さて、私から一つお願いです🌟
もし、皆さんのお子さんの学校に
海外から転校生が来た場合には、
特別扱いはしてもらわなくて大丈夫です。
でも、
「変な日本語を話す子」
「日本語ができない子」
ではなくて、
「日本以外の文化を知っている子」
「日本語を覚えようと頑張っている子」
そんな風に接してくれるように
お子さんに声をかけてあげて下さいね。
そういうちょっとした違いが
子供たちにとっては
「日本が大好き!」
「日本は好きじゃない。」
の違いになる可能性大!なんです。
また、海外在住で、
もしこれからお子さんをどこかの学校に
体験入学で入れたいと思っていらっしゃる方。
期間限定で、思い切って自然が豊かな場所や
ゆっくりとした場所に滞在されるのも
すごく楽しいですよ!
選ぶプロセスはちょっと大変ですし、
一人で全てを準備することに不安があるかも
知れません。
でも、私は逆に地元の人たちの優しい言葉や
態度にすごく心が温まりました。
登校初日に、「初めての子たちだね。」と
話しかけてくれた旗当番のおじいさん。
雨が降りそうな日に家の傘を貸してくれ、
「気が向いたら家の前に置いといてね。」と
言ってくれたおばあさん。
浜松のうなぎ屋さんでは、美味しいと
大喜びだった子供たちのおかげか、
お店の外に出た私たちにそっとお茶を
手渡してくれた女将さん。
餃子屋さんでまたまた大喜びだった
子供たちに、これまたお店の外で
ポケモンのスーパーカードをくれた
店員の男性の方。
そんなことの一つ一つが、子供たちの
日本が大好きだと思う気持ちをたくさん
育ててくれました。
虫が苦手な長男も、無事にセミの抜け殻
集めができるようになりました(笑)
皆さん、日本って良いことが沢山ありますよ。
日本の良さに誇りを持って下さいね🌟
R-doorオンラインサロンでは、
コラムニストやメンバーの皆さんとの
交流が出来ます。
《プロフィール》
かねこ はるき
スペインのコンセルバトーリオという
音楽専門学校に通いつつ
3人の子育てをするワーママです。
「ひとまずここにしようかな。」と、
勢いで選んだスペインに住んで早16年。
コラムでは、日本とスペインの似ている所、
観光旅行のお勧めスポットの他、
観光では知ることのできないディープなスペイン、
子育て、こちらの学生生活等についても
扱う予定です。
スペインに来てから、とにかく
「ママがハッピーでいられる子育て」
の大切さを実感しています。
そんなアイディアも皆さんにご提供できれば
本当に嬉しいです。