4月 (餅菓子と魂) お米には 神様が宿っている!?

こんにちは
「お抹茶コミュニケーションSUI」冨田尚子です。




日本人がもつ潜在的な力って
きっとたぶんお米から生まれています。


わたしの母は新潟出身なので、

お茶碗によそわれたお米は一粒一粒大切にいただき
幼い頃にお米を残した記憶はありません。


そしてお餅。


節分や節句にはお餅が供えられる
お彼岸など季節の節目には
連想される方も多いかと思います。


そう。
本日のテーマは餅菓子です♡


平安時代には
ちまきや草餅など

いまの行事菓子に通じるものが食べられていましたが


日本で生まれた最古のお菓子は、
「椿餅」といわれています。

「椿餅」





コラム初回でご紹介した

亥の子餅ともども『源氏物語』に名が残る
由緒正しきお菓子でございます!笑




餅菓子は、
道明寺粉(米粉)やもち粉などで作られます。


江戸時代になると桜餅や柏餅が生まれました。

餅菓子は先人の知恵の結晶..


植物の葉で巻いたり、
挟むスタイルで親しまれていますが

これも日本人ならではの感性美意識を表すものだと思いませんか


お餅は日本人の暮らしや、
行事には欠かせない存在で

お餅を食べると腹から力が湧いてくるような
そんな感覚を味わったことがあるのは

わたしだけではないと信じています^^



日本人にとって
《腹は魂の宿る場所》

新渡戸稲造は『武士道』で
「腹は魂と愛情が宿る場所」だと記しています。


またお餅には、
霊力(れいりょく)があると信じられ

稲の神様である稲霊(いなだま)が宿る米にひと手間を加えたお餅は
特別な食物として尊ばれました。


-米には神が宿りおさめる腹には魂が宿る-

古代エジプトやギリシャにはじまり
西洋では心臓に霊魂が宿るとしましたが

日本では腹にこそが魂が宿ると信じられてきました


わたしは和装も大好きなのですが

日本では大切な日に吉祥紋の帯を締めます。


腹に帯を巻くことは、魔を寄せつけない魂の御守り、
そんな風に聞いたことがあります。

美しい習わしですね^^

また五穀豊穣を願って
望月(もちづき/満月のこと)に拝むと望みが叶うと信じられ

丸餅を供えるようになったそうです。


「三種の神器」のひとつ銅鏡を模した正月に供える丸餅は、
いまも「鏡餅」と呼ばれています。


当時のお餅にはじまり
お菓子はとても贅沢なものでお供物とされて、

高貴なひとだけが口にすることができました。
いまはなんて自由で恵まれた時代なんでしょう。


素材づくりにはじまり大変手間ひまのかかるお菓子づくり
これからも美味しく大切に有難くいただきたいと思います♡


【引用・参考文献】
『武士道』新渡戸稲造著 (致知出版社)
「亀屋清永」HP




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《プロフィール》
冨田尚子 
テーブルで軽やかに豊かに愉しむ茶道
《お抹茶コミュニケーションSUI》代表

国内外のべ1300名以上の方に、テーブル茶道を指導。
日本橋三越本店にて継続講座や、イタリア大使館主催の文化イベントにも登壇。 
以前は広告制作やフードコーディネーターとしても活動。 

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