5月 (唐衣 からころも) 秘められたエピソードに因んだ意匠
こんにちは。
「お抹茶コミュニケーションSUI」冨田尚子です。
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4年ほど前になりますが
毎週英語のレッスンに通っていました。
テーブル茶道講師として季節の生菓子の説明を
英語でするという課題を出していただいていたんです。
当時は汗しながら準備しておりましたが..
でも。
実はこれが
それまでの美味しく味わうだけの和菓子から
和菓子の背景を深く学んで
わたしのなかの美意識を洗いだす
大きなきっかけになったと思っています。
今月は
当時、先生も感動してくださった
【唐衣 からころも】を準備しました。
![](https://rdoor-official.com/wp-content/uploads/2021/05/からころも.jpg)
からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
旅(たび)をしぞ思ふ
伊勢物語に登場するこの歌は
「かきつばた」という言葉を入れて歌ったものです。
東下りで、京の都から東へ行く主人公が
現在の愛知県にあたる三河国(みかわのくに)の八橋で
燕子花(カキツバタ)の花から唐衣を連想して
※十二単衣の一番うえに羽織る丈の短い衣(からぎぬ)
唐衣を纏う都の妻を思い出すという一場面です。
歌の中に花の名前は出てきませんが、
各句の頭文字をつなげると..
「かきつばた」に!
ロマンチックがすぎる〜♡笑
和菓子の数あるストーリーのなかでも極上のエピソードです。
艶やかな意匠にもこころ奪われませんか♡
カキツバタは、
美しい庭園の水辺には欠かせない花で
日本最古といわれる万葉集の歌にも度々登場します。
![](https://rdoor-official.com/wp-content/uploads/2021/05/3616747_s.jpg)
このように和菓子には
銘(めい)といって
それぞれに情緒ある名がつけられていて、
秘められたエピソードに因んだ意匠が施されています。
ひとの感性を育てるって、
こうして
季節の風物を通して
美しい色やかたちを
見て
触れて
香りを感じて
口で
耳でも
丁寧に味わいながら
五感でその世界観を体験すること。
情緒溢れる時を味わうこと。
そんな時間の積み重ねなのではないかと思っています♡
先日
SUIのメンバーで訪れた
根津美術館の庭園に咲きほころぶ
カキツバタを思い出しながら
![](https://rdoor-official.com/wp-content/uploads/2021/05/根津美術館カキツバタ.jpg)
今月は綴らせていただきました。
R-doorオンラインサロンでは、
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《プロフィール》
冨田尚子
テーブルで軽やかに豊かに愉しむ茶道
《お抹茶コミュニケーションSUI》代表
国内外のべ1300名以上の方に、テーブル茶道を指導。
日本橋三越本店にて継続講座や、イタリア大使館主催の文化イベントにも登壇。
以前は広告制作やフードコーディネーターとしても活動。
スイーツコラムでは、
美しく美味しいだけではない、
季節にあわせたスイーツの背景やエピソードをご紹介します。
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