ちょっと怖い?台湾のお盆の過ごし方
R-doorの皆様!
大家好!(ダージャーハオ)
日本在住、台湾出身。
日本と台湾の文化をつなぐ水藤 家如 (Suito Jaru)です。
今年の夏はすでに、ずーっと暑いですがやっとここからが夏本番。
夏休みは、お墓参りをする方も多いかと思いますが、
ちょっぴり怖い台湾版のお盆「鬼月」についてご紹介します。
時期は旧暦7月。
今年は7/29~8/26と、この一ヶ月間が「鬼月」です。
日本のお盆では、自分の先祖が帰ってきますが
台湾ではどんな霊も帰ってきてしまうんです。
◇鬼月の習慣
台湾では「鬼月」は、
あの世の門が開き鬼(無縁仏や悪霊のこと)が
帰ってくる月とされています。
中元普渡
旧暦の7月15日の中元節は、クライマックスを迎えます。
中元節の日になると、家々では
肉や魚、果物、菓子などを準備して
廟の前や自宅の庭でお供えして祭ります。
亡霊たちが成仏するように祈るもので、
「中元普渡」と呼ばれています。
食事の後には、「紙錢」と呼ばれる死者のためのお金を燃やし、
死者にお金をお供えします。
放水灯
精霊流しのことです。
海や川でさまよっている亡霊たちをあの世へ正しく導くために、
海岸や河岸にお供え物をして灯ろうなどを流し、
水陸両世界の安泰を祈願します。
◇禁止事項が沢山!
鬼月の期間にやってはいけないこと。
<「鬼」と言ってはいけない>
中国で「鬼」とは幽霊の事を言います。
日本の「鬼」と「幽霊」は少し違うようですが中国の「鬼」とは、
偉い人が亡くなったら「神」になり、
普通の人や悪人は「鬼」になります。
なのでそれらを意味する言葉を口にするのは、
タブーとされています。
「鬼」について話したい時は、
親しみを込めて「好兄弟」Hǎo xiōngdìと呼びます。
「好兄弟」
直訳すると、いい兄、またはいい弟、という意味です。
この言葉は、本当の家族のように親しい友人に対する愛称です。
<鬼月に水泳をしてはいけない>
水難事故で亡くなった霊も人間界に帰ってきます。
自分の身代わりを探して、
この時期に水泳をすると霊に引きずり込まれて死んでしまう…
なんて怖い霊もいます。
水難事故がこの月に一番多いのも、そういった警告かもしれませんね。
<夜中に病院に行く>
病院で亡くなった方も多くいらっしゃいますね。
供養してくれる子孫が居なければ
霊は病院を訪問すると考えられています。
<お寺に行く>
霊たちは、神々の助けを求めてお寺周辺に集まるとされています。
夕方は特に集まりやすいとか。
<夜に服を干す>
時間のない現代人はやってしまいがちですがこれもいけません。
濡れた衣類に霊が閉じこもると考えられています。
<夜中に大声で叫ぶ>
霊を寄せ付けてしまい、夜寝付けなくなってしまいます。
<前の人の肩をたたく>
人間には頭頂と両肩に3つの「火」が灯してます(三把火)。
肩を叩くことにより、
火を消してしまいますと霊が入りやすくなるそうです。
<夜に口笛を吹く>
日本でも同じ迷信がありますね。
口笛の周波数は、
あの世の周波数と似ているので霊を呼び寄せてしまうんだそう。
<夜にお香を焚く>
こちらも霊を呼び寄せます。
<霊の悪口を言う>
亡くなっていない方でも悪口はあまり気分が良いものじゃないですね。
と、まだまだ沢山あります……
迷信?と思われがちですが、
台湾では結構これを忠実に守っている人が多くいます。
ちなみに、8月の台湾は大忙し!
8月4日 は、情人節で旧暦七夕。恋人たちの日
8月8日 は、台湾語で「パパ」と「88」の発音が同じため、台湾の父の日です。
8月12日(旧暦7月15日)には、中元節でお線香を焚いてお供え物を用意します。
基隆の「基隆中元祭」という祭りもありますよ。
日本の皆様はよくご存知かもしれませんが、
私は今回このコラムを書くのに、初めて知りました。
日本のお盆では、次期や地域によりますが、
こちらは、「精霊馬(しょうりょううま)」。
「牛馬」と呼ばれることもあります。
ご先祖様が帰ってくるのに迎え火を焚いて、
キュウリに割箸を足の変わりに4本刺します。
キュウリは馬を表していて、
ご先祖様が馬に乗って早く帰ってくるように。
帰りは送り火を焚いて、ナスに割箸を足替わりに4本差します。
ナスは牛を表していて、お土産を沢山乗せて、
別れが惜しくてゆっくり帰って欲しいという願いが込められています。
日本と台湾のお盆。
似ているけど、風習はまったく違います。
日本では、ご先祖様を大切にする習慣は、
台湾人の私もとても共感します!
今も昔も、死者に敬意を払う事。
これは日本も台湾も同じですね。
夏休みに台湾へ行く事があれば、是非参考にしてみてくださいね。
次回は『中秋節』を紹介します!
「月祭り」とも呼ばれ、ロマンに溢れた行事です!
どうぞお楽しみに!!
それでは、下個月見了~
R-doorオンラインサロンでは、
コラムニストやメンバーの皆さんとの
交流が出来ます。
≪プロフィール≫
日本在住、台湾台北生まれ、台湾育ち
元米系航空会社の地上職員&
社内教育のインストラクターとして約27年間半勤め、
2020年8月に退職。
同年、MBA(経営学修士)取得を機に起業を決意。
2022年から【茶一福】さ、いっぷく!
日本人の方々に台灣茶、台灣の方々に日本テーブル茶道を、
お茶を楽しみながら、言葉や文化についてのサロンです。
ここでしか手に入らない!
美味しい台湾烏龍茶の販売もまもなく始めます。
▷ https://www.instagram.com/sa.ippuku/
是非覗いてみてください!
これまでのコラム一覧はこちら▼
https://rdoor-official.com/category/column/suitojaru