初詣・氏神さまへの参拝のマナー
新年になり、早くも三週間が経とうとしております。
「新春」という言葉とは反対に、
まだまだ春の到来を遠く感じる季節ですね。
さて、新年といえば「初詣」ですが、
今年はコロナ禍における感染対策として、
落ち着いてから改めてお参りしようと考えられた方も多いと思います。
私は三ヶ日の間に氏神さまにだけはお参りしておきたく、
人が少なそうな早朝に参りましたが、
2月2日まで、初詣の期間にあたるとのことでした。
本来、初詣は年神様がいらっしゃる松の内(1月7日か1月15日)
までに行くと良いようですが、
今年は新型ウィルス感染拡大予防の観点から、
2月や3月末までとされている神社も多いようです。
さて、
神社でのお参りにもやってはいけないNGマナーやしきたりがあります。
氏神さまは、その土地を古くからお守りくださっている神様なので、
できれば初詣や、毎月おついたちにはお参りしたいところですよね。
本日は、お参りのマナーについて、お伝えして参ります。
まず、よく勘違いされていることが多いようですが、
氏神様へのお参りは「お願い事」のためにいくものではないこと、
ご存知でしょうか?
働き方や人との繋がり方が大きく変わった2020年、
コロナが変わらず猛威を奮う中で、
新年に神社に行かれた方々の中には、
無事に新年を迎えられたことへの感謝の気持ちを伝えられた方も、
きっと多いと思います。
そう、
ここでNGなのは、
自分目線で(感謝の言葉なく)
「叶いますように」と他力本願なお願い事。
例えば、叶いたい未来がある場合でも、
「いつもありがとうございます。
〇〇に向かって、最善の準備をして参りますので、
お見守りください。」
このようにお参りするのが良いでしょう。
その際、住所と名前を心の中で唱えるのも、
忘れないようになさってくださいね。
続いて、参拝の仕方です。
まず、神社の境内に向かう鳥居をくぐる際には、
一礼をしましょう。参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」
と言って、神様の通られる道。
ですので、中央は避けて端を歩きます。
境内に着いてまず行うのが、
手や口を清めること。
写真にある手を清める場所は、
「手水舎(「ちょうずや」または「てみずしゃ」)」と呼びます。
手水の清め方、茶道をなさる方など、
よくご存知の方も多いかと思いますが、
ご紹介しますね^^
1.右手で柄杓(ひしゃく)を持ってたっぷり水を汲み、
左手を清めます。
2.柄杓を左手に持ち換え、右手を清めます。
3.今度は右手に持ち換え、左手に少し水をためて、口に含み
軽くすすぎます。(口につける程度でも良いでしょう。)
4.口をすすいだ左手に少し水をかけて清めます。
5.柄杓を立てて、残った水で柄の部分に水を流して、
持っていたところを清めます。
これを、できるだけ、ひとすくいの水で行いましょう。
続いて、お賽銭を差し上げて、鈴を鳴らします。
まずお賽銭を入れてから…という場合が多いようですが、
どちらが先でも良いそうです。
また、お賽銭の金額はお気持ちなので、
明確なルールはありませんが、
初詣の時くらいは前もって祝い袋やポチ袋に入れて、準備をしたいものです。
そして、捧げる際に気になってしまうのが、
ポーンと投げ入れる・・・という行為。
よく「お賽銭箱にうまく入るかな?」と
まるで投球練習さながらに投げ入れるお子さまを見かけること、
ありますよね・笑。
ですが、
「えん(縁)を投げる」という意味になってしまうそうです。
ぜひ、そうっと差し上げましょう。
また、鈴は「お参りに参りました」
という合図と鈴の音によって祓い清められる意味があるそうです。
ここでも品よく鈴緒を振りたいところですよね^^
続いての参拝のマナーですが、
「二拝二拍手一拝」はご存知の方も多いと思います。
2度、最敬礼のお辞儀をしたら、
2度柏手(かしわで)を打ちます。
ここでは、右手を左手の第一関節くらいまで下げて、胸の前で手を打ちましょう。
一説によると、
左手(ひだりて)の「ひ」の音→「火」と連想し「か」と読み替える
右手(みぎて)の「み」の音→「水」と連想し「み」と読む
→→→左手:か、右手:み で「かみ:神」の手
で打つもの、という話もあるそうです。
手を打ったら、
両手を元に戻して手を合わせ、心の中で祈ります。
その後、改めてきちんと正面を向き、
最敬礼の深いお辞儀を一度します。
いかがでしょうか。
今回お伝えした参拝の仕方は、あくまでも一例ですので、
その土地や神社によって、しきたりが異なる場合もあります。
それぞれの氏神さまのしきたりが気になる方は、
神主さんや巫女さんに伺ってみてください^^
オトナの女性として、凛とした美しい姿でお参りしたいものですよね。
まだ初詣に行かれていない方、
また、おついたち参りに行かれる際にでも、
思い出していただけたら幸いです。
今年の冬は寒さが厳しく寒波が猛威をふるっております。
積雪の地域もあるかと存じますが、
どうぞ温かくなさって、お健やかにお過ごしくださいませ。
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《プロフィール》
藤本 えり
フリーアナウンサーであり、傾聴コミュニケーションのインストラクター滋賀県出身。
神戸の大学に進学後、ANAの地上職として関西国際空港に勤務。
グランドスタッフ、秘書業務を経て、結婚・出産後、フリーアナウンサーの道へ。
関西では、太閤園などホテルでのディナーショーを中心に活躍。
同時にビジネスマナーや接遇の講師として専門学校や大学で接遇の講義も行う。
2012年住み慣れた芦屋・甲陽園から横浜へ転居し、活動の場を関東へと移す。
以降、官公庁や外資系企業、医療系メーカーを中心とした講演会やシンポジウムの司会に抜擢され、
新型ウィルス感染拡大までは、300名から1000名規模での表司会を経験。
現在はWEBシンポジウムの司会を中心に、年間100件余りの受注を受ける。
自身の司会案件のほか、航空業界での人脈を生かし、キャスティング業務も請け負う。
講師としては、専門学校にてマナーの検定講師のほか、
傾聴コミュニケーション協会のインストラクターとして、
「聴く」ことを土台としたコミュニケーションの重要性をお伝えしている。