失礼にならない言葉のマナー

こんにちは。
フリーアナウンサーの藤本 えりです。



えぇ声トークラボを主宰し、
『声・ことばと伝え方を磨いて、なりたい自分になる』というお手伝いに加えて、
マナー講師として専門学校での非常勤講師も務めています。






覚えていらっしゃいますでしょうか?


年末のご挨拶に関するコラムに「ご苦労様です」という言葉は
目上のかたが使う言葉だということをお伝えしました。



どんな相手にでも使えるのは「お疲れ様です」という言葉、ですよね。



日本語には、上から目線に感じられてしまう言葉があります。



相づちの時に、「なるほど」を連呼していらっしゃいませんか??
これも実は上から目線に聞こえてしまう言葉です。



私も打ち合わせの場面で先方の社長のお話に、
良かれと思って「なるほどです!納得しました。」を連呼してしまって、
訝しげな顔をされたことがあります。。。





この「なるほど」の言葉、目上から目下に向けて使う言葉なのですよね。



ですので、せめて同格の立場までにとどめた方が良いようです。



ついついよく言ってしまいがちですが、
回数をできるかぎり抑えて、他の相づちも交えたいですね。



言い換えとしては、

「ごもっともでございます。」
「確かに!おっしゃる通りでございます。」

といった言葉が適切のように感じます。




また、「よろしかったでしょうか?」の言葉、近頃、よく耳にされませんか?



レストランやコンビニエンスストアなどで使われがちな言葉ですが、

「ご注文は○○でよろしかったでしょうか?」
「こちらの資料でよろしかったでしょうか?」

というフレーズ、これは誤りです。






注文の場合、受けたのは過去のことですが、
確認をしているのはいま、現在のこと。



また、お相手によっては、

「○○とおっしゃっていましたよね? 間違えてはいませんよね?」と、
念押しをされた気持ちになるようですので、注意が必要です。



何かの確認をするさいは、「よろしいでしょうか?」を使いましょう。




他にも、
「食べれる」や「見れる」「寝れる」などとおっしゃってはいませんか?



最近ではすっかり定着してしまい、違和感なく聞こえるかもしれませんが、
実は「ら抜き言葉」といって、これも気をつけたい言葉遣いのひとつなのです。



×「食べれる」→ ○「食べられる」
×「見れる」 → ○「見られる」
×「寝れる」 → ○「寝られる」



オトナ女性ですもの。
きちんとした言葉を使って、
違和感なく丁寧に言葉を扱いたいものですよね。




敬語以外の言葉遣いも少し気をつけるだけで、
印象が格段によくなります。



おすすめなのが、否定形を肯定形に変換することです。

「できません」→「いたしかねます」
「ありません」→「切らしております。」
        「こちらならあります。」



例えば、お店に立ち寄られた方が何も買わずに
「両替してもらえませんか?」とおっしゃる時。



お店の方針としては、両替は承れない場合、
「すみません、両替はできないんです。」・・・これだと少々、残念。

「申し訳ございませんが、当店では両替はいたしかねます。」と、
一旦言い換えたいところです。



そして、これだけでもNGではないのですが、あと一歩、
「よろしければ、この先に○○銀行のATMがございますので、 
そちらをご利用くださいませ。」とおすすめする、
こうするとそのお店の対応力がグッとレベルアップして感じられる、
と言った具合です。



誰でも否定的な言葉は聞きたくないですよね。



ご家族にもついついかけてしまっている「ない」の言葉、
「動かないで」→「そこにいて」 に変えてみる。


こうして変換すると、あたたかい言葉がけに変わって
心地よい空間になるのではないでしょうか^^



言葉は生きているもので、もちろん変化もします。



ですが、美しい日本語を未来にも繋いでいく言葉の使い手として、
私たち、オトナの女性が目の前の人に
居心地が良いと思ってもらえる言葉を心がけていきたいですよね。



今回も最後までお読みいただきだき、ありがとうございました。



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〈プロフィール〉
藤本 えり
「えぇ声トークラボ」主宰の現役フリーアナウンサー
「ことば」の大切さを実感し、
「話す」ことや「声を出すこと」を少人数グループレッスンや
パーソナルレッスンでサポート。
官公庁や企業を中心とした講演会や1000人規模のシンポジウム司会に抜擢され、
年間100件近くの受注を受ける。
マナー講師歴は10年、
専門学校にてマナーの検定講師や非常勤講師としても活動しており、
コミュニケーションの重要性をお伝えしている。

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